ふるさと納税の限度額の計算は?

○ 計算方法・計算式

控除限度額 =(個人住民税所得割額×20%)÷(100%-基本分10%-所得税率×復興税率1.021)+自己負担2,000円

このような計算式みたいです。
国税庁の計算式は全く意味が分からなかったのでその他のいくつかのサイトに記載されていた計算式を引用しております。
この計算式でもよく分からない用語があるので次のセクションで調べた内容の説明を記載しております。

○ 計算式に出てきた用語を調べる

※ここからは僕の理解として記載するので信じないでください

1. 個人住民税所得割額

個人住民税所得割額 = 課税所得 × 所得割

上記の式から求められる結果のようです。

ちなみに余談ですが住民税の求め方はこちらになるようです。

住民税 = (課税所得 × 所得割) + 均等割

なので住民税に均等割を含めない額が個人住民税所得割額になるみたいですね。

所得割

所得割(10%) = 市町村民税(6%) + 道府県民税(4%)

※ 政令指定都市では、市町村民税が8%、道府県民税が2%という割り振りになるそうです。

均等割

均等割(5,000円) = 市町村民税(3,000円) + 道府県民税(1,000円) + 森林環境及び森林環境譲与税(1,000円)

※ 道府県民税とありますが東京都の方も含まれるようです。
※ 均等割の計算式は2024年以降のものになります。
2023年までは市町村民税が3,500円、道府県民税が1,500円で均等割が5,000円だったみたいですが合計は変わらないみたいです。

2. 100%

これはそのまま100%って意味らしいです。
僕はなんの100%なの?って考えてしまいましたが別に何かを示しているわけではなそうです。
後ほどのセクションで計算の例を記載しますが、

(100%-基本分10%-所得税率×復興税率1.021)
上記の式はこのように置き換えられます。(所得税率は課税所得300万を仮定して10%にしております。)
(1 – 0.1 – 0.1 * 1.021)
とりあえず100%は何かを示しているものではないと考えてもらえれば大丈夫なはずです。

3. 基本分10%

これは所得割のことみたいです。


○ 備考

ふるさと納税限度額の計算の基準となる課税所得はその年のものになるみたいです。

例えば2024年1月~12月にふるさと納税をする場合、2024年1月~12月の課税所得(見込み)をもとに計算するということです。

つまり、ふるさと納税をする時にはまだ課税所得が確定していないことになると思うのでその点は注意しましょう。(特に毎月の給与が一定ではない人は注意です。)


○ 計算してみよう

計算式

控除限度額 =(個人住民税所得割額×20%)÷(100%-基本分10%-所得税率×復興税率1.021)+自己負担2,000円

所得税率は下記リンクから確認できます。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm

例1) 課税所得: 300万円

まず個人住民税所得割額から計算します。

課税所得(300万) × 所得割(10%) = 30万円

式に当てはめて計算します。

控除限度額 =(30万×20%)÷(1-0.1-0.1×1.021)+ 2,000
控除限度額 = 60,000 ÷ 0.7979 + 2,000
控除限度額 = 75197 + 2,000 = 77,197円

このように控除限度額は77,197円となります。

この時に77,000円分ふるさと納税した場合の所得税と住民税の控除額は下記のようになります。

所得税の控除額の計算

寄付金額(ふるさと納税した金額):
77,000円
寄付金額控除対象額:
寄付金額(77,000円) – 自己負担額(2,000円) = 寄付金額控除対象額(75,000円)

所得税控除額:
寄付金額控除対象額(75,000円) × 所得税率(10%) = 所得税控除額(7,500円)

このような計算で所得税からは7,500円控除されます。

住民税控除額の計算

寄付金額控除対象額(75,000円) – 所得税控除額(7,500円) = 住民税控除額(67,500円)

このような計算で住民税からは67,500円控除されます。
つまり所得税控除後の残りが住民税から控除されるということですね。


例2) 課税所得: 500万円

まず個人住民税所得割額から計算します。

課税所得(500万) × 所得割(10%) = 50万円

式に当てはめて計算します。

控除限度額 =(50万×20%)÷(1-0.1-0.2×1.021)+ 2,000
控除限度額 = 100,000 ÷ 0.6958 + 2,000
控除限度額 = 143,719 + 2,000 = 145,719円

このように控除限度額は145,719円となります。

この時に145,000円分ふるさと納税した場合の所得税と住民税の控除額は下記のようになります。

所得税の控除額の計算

寄付金額(ふるさと納税した金額):
145,000円
寄付金額控除対象額:
寄付金額(145,000円) – 自己負担額(2,000円) = 寄付金額控除対象額(143,000円)

所得税控除額:
寄付金額控除対象額(143,000円) × 所得税率(20%) = 所得税控除額(28,600円)

このような計算で所得税からは28,600円控除されます。

住民税控除額の計算

寄付金額控除対象額(143,000円) – 所得税控除額(28,600円) = 住民税控除額(114,400円)

このような計算で住民税からは114,400円控除されます。
つまり所得税控除後の残りが住民税から控除されるということですね。

○ まとめ

限度額の計算式

控除限度額 =(個人住民税所得割額×20%)÷(100%-基本分10%-所得税率×復興税率1.021)+自己負担2,000円

計算式に必要な情報は課税所得が分かれば全て確定する。
個人住民税所得割額 = 課税所得 * 所得割(10%)
所得税率: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm を確認

あとは式に当てはめて計算するだけ!

計算に必要な課税所得は去年の確定額?今年の見込み額?

今年の見込み額です!
2024年1月 ~ 12月にふるさと納税を行う場合、2024年1月 ~ 12月の課税所得を元に計算をします。
つまり、確定している金額ではないため毎月の収入の変動が激しい人は気をつけましょう。
限度額を超えた分は自己負担になります。
例えば50,000円が限度額の人が60,000円ふるさと納税を行なった場合は、通常の自己負担額の2,000円 + 限度額を超えた10,000円の計12,000円が自己負担額になります。

ふるさと納税した額が控除されているか確認方法

個人事業主かつ会計ソフトfreeeを使っている人の場合しか分からないのでご了承ください。

所得税から控除された額の確認方法

会計ソフトfreeeを使っている場合ですが、青色申告作成手順で登録したふるさと納税額が「寄附金控除」の欄に記載されていればOKです。

住民税から控除された額の確認方法

毎年6月に届く住民税の納税通知書を確認すると「寄付金税額控除額」という欄があるので、そこに記載されている金額が住民税から控除された額になります。
※ 地域によって違う可能性もあるのでその点はご了承ください。


(青色申告の「寄附金控除」の欄に記載されている額 × 所得税率) + 住民税の納税通知書の「寄付金税額控除額」に記載されている金額が、ふるさと納税した額 – 自己負担額(2,000円)と一致していればOKです。多少ズレはありそう。

課税所得: 3,000,000円、ふるさと納税額: 50,000円の場合

・青色申告の「寄附金控除」の欄に自己負担額の2,000円を引いた48,000が記載されているはず。
・課税所得: 3,000,000円の場合の所得税は10%なので、4,8000 × 10% で4,800円が取得税から控除された額になる。
・住民税の納税通知書「寄付金税額控除額」の欄には寄附金控除額(48,000円) – 所得税から控除された額(4,800円) で 43,200円が記載されているはず。
※ 所得税の計算を10%で行なっておりますが、本来は復興税率1.021を考慮する必要があるので少しずれます。

以上です。
長くなりましたが、セクションの「○ 計算式に出てきた用語を調べる」と「○ 計算してみよう」を見れば計算方法については分かると思います。

○ アプリを作りました

課税所得をもとに限度額を計算するアプリを作成しました。
よければ使ってみてください!

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